ここで取り上げた本製品の不具合は2016/12/7にドライバー、ファームウェアのアップデートにより一部解消されたようです。
TASCAM ( タスカム )
US-16x08 オーディオインターフェイス MIDI
商品ID:197679
¥37,500(税込)
タスカムのオーディオーンターフェイス US-16x08について重要な事を書きます。
購入を検討されている方は他のレビューサイトや感想ブログなどでは書かれていない大切な事ですので 是非ご覧ください。
さてこのオーディオインターフェイス、マイク入力8ch、ギター/ライン入力2ch、ライン+4dB,-10dB入力6ch
合計でアナログ16ch入力、アナログ出力8chとコンパクトながら非常に魅力的な仕様が売りの製品です。
これで実売4万円を切っているので ドラム録音やバンド録音に最適かと思われる機種なのですが、実際に使ってみたところある問題が出てしまいました。
・ダイレクトモニター機能について
レコーディングの時はモニターと言って DAWからのクリック音やガイド再生音と録音しているマイクの音(自分の音)を両方聞きながら作業するのですが
この機種にはDSPミキサーが搭載されていてレイテンシー(音の遅れ)なしにEQやコンプレッサーなどが使えるという非常に便利な仕様です。
さてでは実際にレコーディングに使用する事を想定してテストを行っていたところこのモニター機能に大きな問題がありました。
・問題点とは・・・
DSPミキサーを使ったダイレクトモニターを聞くには「STEREO BUS」にアサインしなければいけません。
この「STEREO BUS」はアウトプットの1~8にステレオペアで任意に出力できます。
しかしこの「STEREO BUS」
DAWの再生音も全てが混ざってしまうのです!
例えば、キューボックスシステムを使ったスタジオなどで録音をする場合、全体の音とは別に自分の音だけ、クリックだけ、ガイドだけというようにいくつかの音をバラバラに出力することが一般的なのですが
これができません
DAWからクリックをアウト8に出しても「STEREO BUS」に混ざります。
同様に録音する音だけを聞くこともできません。
(2016/12/7現在は修正されているようです)
これだけ入出力が豊富な機種なので様々な使い方ができると思いきや 何人で演奏しようともモニターは基本的に全員一緒という状態となります。
実際の作業を想定してもう少し詳しく書きます。
【録音作業内容:ギターと歌の2人で打ち込み音にダビング作業する場合】
ギターと歌、それぞれにヘッドホンを用意し、クリック音や自分の音は自由に調整できるようにしたい場面ですが
クリックも歌もギターも全部「STEREO BUS」から出ます。
歌の人はクリック聞きたくなくても そういう事ができません。
クリックを8にアサインしても「STEREO BUS」と8から出ます。
・・・・もうだめですね、作業になりません。
もちろんボリューム操作はできるのでクリックを大きくしたり自分の音を大きくしたりはDSPミキサーとDAW出力レベル調整で可能です。
タスカムのサポートに問い合わせたところ、現状のモニター機能は変更できず、今後も変更予定はない という返事をいただきました。
ただし一人の録音ではDSPミキサーだけで調整すればいいのでこの問題はあまり影響しないでしょう。
同じようにライブ録音とか一発録音の場合も大丈夫だと思います。
2人以上で録音したり 演奏者とオペレーターで別々のモニターをしたい場合は無理 という事になります。
以上
それなりのきちんとしたレコーディングに使いたい という人にはUS-16x08はお勧めできません。
スタインバーグ UR-816Cあたりが最適かと思います。
STEINBERG ( スタインバーグ )
UR816C オーディオインターフェイス 32bit/192kHz
¥69,664(税込)